高橋是清も愛した 深川製磁の染錦花丸紋の汲出茶碗

本当の白は、青い。

僕は初めて深川製磁を見たときに、そう思った。深川製磁の磁器は、深川ブルーと言う染付(藍色)が施されており、その青のグラデーションが本当に美しい。そのせいもあるかもしれないが、深川製磁は磁器の色までもが青く見えるのだ。
磁器にはいろいろと種類があり、深川製磁の代表的な作品は白磁だが、その白が青く見える。青磁の青とは全く別物の透き通った青だ。

僕が初めて購入した深川製磁は、寿赤絵の梅型6号鉢だった。僕はこれを結婚式の引き出物として大量に購入した。数年後、また自分用にも深川製磁が欲しくなってしまった。それも、とっておきのが欲しい。そこで選んだのが染錦花丸紋の汲出茶碗だ。今日はこの汲出し茶碗を紹介する。

 

 

高橋是清について

深川製磁の染錦花丸紋について説明する前に、まず高橋是清について書いておきたい。

まず高橋是清は幕府御用絵師の父(47歳)と母(16歳)の子として生まれる。その後、仙台藩の足軽の養子として仙台に移動。勝海舟の息子とともに海外留学するが、騙されてオークランドの家に奴隷として売られてしまう。3年間の必死の抵抗の末、帰国後は英語教師、農商務省の官吏、初代特許局長と登りつめる。しかしある時、すべての職を辞してペルーで銀山開発を開始、しかし失敗して無一文で帰国した。二度目の帰国後は日本銀行建築事務主任、日本銀行支配役西部支店長、日本銀行総裁と銀行家としてキャリアを築く。その後は政界に進出して内閣総理大臣にまでなり、その後は大蔵大臣を7回も務めた。しかし2・26事件で凶弾に倒れてしまう。

今ざっと書いただけでも壮絶すぎる人生で、とても一人の人間の歩んだ道とは思えない。僕は高橋是清の人となりを少しも知らないが、この経歴だけは何となく知っていて、とても尊敬している。とくに10代初めに海外に売られる経験をしているのに、そこで沈まずに、むしろそれを武器として自分の人生を切り拓いてきたところがすごい。また、初代の特許庁長官であることにも惹かれている。

なぜ今、高橋是清について紹介したかというと、その高橋是清が愛用したといわれているのが、今回紹介する深川製磁の染錦花丸紋のセットだからだ。

 

 

染錦花丸紋の汲出し茶碗

僕は高橋是清に憧れ、高橋是清が愛用していた深川製磁の染錦花丸紋をペアで買った。すべて揃えたら高価なので、まず汲出茶碗だけ買った。

 

 

染錦花丸紋は、青をベースとした花の丸紋が施されている。それぞれの花には気品があり、美しく、凛々しい。そして何より、この模様は今でも職人により手描きされている。

 

 

 

焼物を愛でる面白さ

陶器、磁器に限らず、焼物を愛でるのは本当に楽しい。

自分がこだわって作った料理なら、一流の職人が作った一流の食器に乗せたい。それだけで食事はぐっと豊かになる。工業製品ではない一つ一つ手作りの製品には、機械では作る事ができない魅力がある。まっすぐな機械的な線ではなく柔らかな線には、人間の温かさがある。そして愛情を注いでも裏切られない安心がある。

現在、深川製磁には絵付けのできる人が数人しかいないようだ。残念だが、値段が上がることで細くでも長く続いていってほしい。いつかは日用使いの磁器を染錦花丸紋で揃えたい。

 

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