[静岡] 丁子屋のとろろ汁 歌川広重の東海道五十三次にも出てくる丸子宿の名店

歴史のあるものが好きだ。何かものを買うとき、なるべくなら歴史のあるものを買いたい。毎日使って一生寄り添う家具ならば当然だけど、一張羅の服を買う時も、そのブランドの歴史は重要な判断基準だ。

これはレストランにも言える。シェフが転々と移動する最近のフレンチやイタリアンレストラン事情には当てはまらないかもしれないが、僕は老舗と呼ばれる名店が好きだ。そんな名店では、歴史と食べものがセットだ。

今回は静岡の名店「丁子屋」を紹介したい。

 

丁子屋

住所:〒421-0103 静岡県静岡市駿河区丸子7丁目10−10
電話:054-258-1066

 

 

東海道五十三次のひとつ丸子宿

丁子屋を語るのに歴史をどこまで遡ればよいかというと、それは江戸時代にまでさかのぼる。当時、将軍がいる江戸と、天皇がいる京都を結ぶ道、つまり東海道は日本の中でもっとも人の往来が多く、そして重要な道でもあった。そのため東海道は浮世絵の題材としても人気が高く、庶民もこれを楽しんだらしい。特に歌川広重の東海道五十三次は、西洋美術に及ぼした影響も大きく、ヴィンセントヴァンゴッホもよく模写していた。事実、ゴッホの作品の中にも出てくる。

なんと、そんな歌川広重の東海道五十三次のなかに、今回紹介する丁子屋が描かれている。

ほら。

 

 

まさに、この茅葺屋根のお店が丁子屋なのである。

 

 

丸子宿の老舗 丁子屋

広重が書いたのと同じ茅葺屋根のとろろ汁屋、丁子屋。それは静岡県静岡市からすぐの丸子宿にある。昔は鞠子(まりこ)と書いたようだが、今は丸子(まりこ)と書く。

 

 

山に囲まれたこの地で、未だとろろ汁屋をやっているから驚きだ。ちなみにこの辺りでは、とろろの事をとろろ汁という。とろろ汁とは聞き慣れない言葉だが、特別に汁仕立てにしている訳では無く普通の味噌仕立てのとろろだ。

お店の中は風情がありまくって、見ているだけでも楽しい。座敷もとても清潔にされていて、それでいて昔の雰囲気を残している。まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚だ。

 

 

 

食べたもの

席に着いてまずはビールを頂いた。茅葺屋根の下で飲むのなら当然日本酒かなと思ったけど、その日は真夏日だったのでビールを飲んだ。それがこの丁子屋特製のエール。ひろしげさんの東海道エールなるものだ。AOI Brewingというブリュワリーに特注しているらしく、静岡県さんのお茶を配合しているとても面白いビールだ。

さっぱりしたエールで、とても美味しい。実際お茶が入っているなんて気が付かなかった。

 

 

最初は、豆腐にとろろが混ざったこのお料理を頼んだ。ミョウガが刻んであって、とても夏らしい。そしてビールに良く合う。この組み合わせは最強で、夏に豆腐ととろろとミョウガでビールを飲むというのは、日本人特権を誇示するようなものだ。うちでも「いただき!」と思った。週末やりたい。

 

 

そしてメインの定食が用意された。とろろはみそ仕立てでそれを麦飯と頂く。ご飯は食べ放題なのでいくらでもいけるのだが、この日は既にビールで始めていたのでおかわりは控えめにした。やはり丁子屋のとろろは美味しい。しょっぱすぎず、甘過ぎず、硬過ぎずで、いわゆる「普通」なのだが、それも歴史を反映しているようで、楽しめた。

 

 

それ以外にも酒の肴で色々と頼んだので紹介する。

こちらは焼きとろ。卵にとろろがたっぷりと混ぜ込んであって、だし巻き卵が作られている。とろろが焼けたときの香ばしい香りがして、とても美味しい。醤油で頂く。

 

 

そして揚げとろ。磯部揚げのようにとろろが揚げられている。たたみ鰯や、海苔などバリエーションがあって楽しい。とろろが硬く擦ってあって程良くくずれなかった。

 

 

期間限定でさつま揚げがあったので、これも頼んでみた。豆が練り込んであって、不思議な触感。量もちょうど良くプリプリとしたさつま揚げだった。

 

 

最後に、せっかく静岡に来たので黒はんぺんフライも頂いた。やはり美味しい。静岡に来たら黒はんぺんは定番で、毎回頼む。ビールでも、日本酒でも、焼酎でも、白ワインでも、ハイボールでも合うので、最強だ。これはからしとソースで頂いた。

 

 

以上が丁子屋だ。

昔はとても栄えた丸子宿であるが、現在は残念ながら丸子宿自体は残っておらず、真面目に保存して見せようとしている建物は丁子屋のみとなっている。昔の宿場町は宇津ノ谷というあたりで観光ガイドには載っているが、正直に言って何も見るものはない。丁子屋だけでも是非、足を延ばして頂きたい。

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